2014年07月21日

カルシウム拮抗剤について(1)

●カルシウム拮抗剤について(1)

カルシウム拮抗剤(カルシウムきっこうざい、英: calcium channel blocker, CCB)とは、血管の平滑筋にあるカルシウムチャネルの機能を拮抗(阻害)し、血管拡張作用を示す薬剤のこと。

適用症例として主に高血圧、狭心症があげられる。



●カルシウム拮抗剤の概要

カルシウム拮抗剤は、カルシウムを拮抗させる薬剤ではなく細胞膜上のカルシウムチャネルに結合し、細胞内へのカルシウムイオン流入を阻害する薬剤である。

「カルシウム拮抗剤」という名称は本来適当でなく「カルシウムチャネル拮抗剤」「カルシウムイオン流入抑制薬」とするべきものであるが、日本においては「カルシウム拮抗剤」の名称が一般的となっている(開発当時は作用機序がわからず、Caイオンによる血管や心筋収縮を用量依存的に抑制し、見掛け上はカルシウムに拮抗した作用であったため「カルシウム拮抗薬」と記載された)。

ただ、この一般的な名称のために一部でカルシウムの吸収が阻害される薬剤であるとの誤解がある。



カルシウム拮抗剤は構造上大きく3つに分類される。

血管選択制の高いジヒドロピリジン系は、主に高血圧に用いられ高血圧治療の第一選択薬とされ幅広い患者に使用されている。

ベンゾチアゼピン系は血管拡張作用は緩徐で比較的弱いが、心拍数抑制作用があり、更には冠スパズム抑制作用が強いことから狭心症の第一選択使用され。

フェニルアルキルアミン系には刺激生成・伝導系(洞結節・房室結節)の抑制作用が高いことからPSVT(発作性上室性頻拍)や心房細動などの頻脈性不整脈に使用されることが多い。

なお、催奇形性の可能性が報告されており、妊婦・妊娠の可能性のある患者には禁忌である。




●カルシウム拮抗剤の作用機序

カルシウムチャネルはL,T,N,Pなどの多数のサブタイプが知られているが、現在市販されているカルシウム拮抗剤は主にL型カルシウムチャネルを介したカルシウム流入の阻止を行うことでその薬理活性を得ていると考えられている。

作用の違いはL型カルシウムチャネルへの結合部位が異なるためと考えられている。

血管への作用は、血管平滑筋細胞へのCaイオン流入抑制に伴う血管の収縮抑制作用であり、平滑筋細胞のある動脈が静脈よりも収縮抑制が強い。

また、同じ動脈血管でも末梢血管動脈よりも冠動脈での拡張作用が高い。

ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗剤は、腎臓では輸入細動脈の拡張を行うため、糸球体内圧を上昇させる可能性があり、腎硬化症の進展予防としてはACE阻害薬に劣ると考えられている。

心臓では洞房結節の興奮頻度の減少や房室結節の伝導抑制が効果があることが知られているが、ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗剤は、血管選択制が高く臨床用量での効果は殆ど期待できず、血管拡張作用に伴う圧受容体反射に伴い心拍数上昇が見られることがある。

なお、バルプロ酸(デパケン)はT型カルシウムチャネルに作用する抗てんかん薬である。



●カルシウム拮抗剤の主な副作用


血管拡張による:顔面紅潮、頭痛、熱感(ほてり)、下肢浮腫(むくみ)

過度の降圧による:低血圧(めまい)

心刺激生成(洞結節)・伝導系(房室結節)の抑制による:徐脈、房室ブロック(ベラパミル、ジルチアゼム)

原因不明:歯肉腫脹




●カルシウム拮抗剤の分類

ジヒドロピリジン系

ニフェジピン(アダラートなど)やニカルジピン(ペルジピンなど)やアムロジピン(アムロジンやノルバスク)が含まれる分類である。

ジヒドロピリジン系はL型カルシウムチャネルのN部位(NifedipinのN)に結合する。

血管拡張作用、降圧作用が強く、心筋への作用がほとんどない。

高血圧や狭心症でよく用いられる。

陰性変力作用や抗不整脈作用は殆どないと考えられている。

ニフェジピンは作用発現が早すぎて、心拍数の上昇が認められることがあったが、アダラートLなどは徐放剤とすることでその問題点を克服している。



アダラートカプセルは徐放剤ではないため高血圧緊急症における迅速な降圧の際に用いられ、20分程度で降圧効果を得ることができるのでしばしば使用されたが、現在では使用は推奨されていない。

ニカルジピンは安定した点滴静注が可能であるため、病棟では好まれる。

ペルジピンの1アンプルは10 mg/10 mLである。

原液のまま使用するのではなく、必ず添付文書どおり希釈して使用する。

維持量が2〜10γであるため、体重が50 Kgならば1γは原液で3 mL/hrに相当する。

原液2 mL/hrから開始しスケーリング対応で2〜20 mL/hrの範囲で維持することが多い。

副作用に頻脈性不整脈があるため心不全を合併している場合は0.5γである1.5 mL/hrという低用量からスタートするのが無難である。

また、脳出血急性期で止血が完成していない患者は、使用禁忌である。



以下の、現在までに発売されたジヒドロピリジン系薬剤一覧のように、一般名の末尾に、必ず”ジピン”が付く。

アムロジピン(アムロジンやノルバスク)

ニフェジピン(アダラート)

ニカルジピン(ペルジピン) - 注射剤型がある

ベニジピン(コニール)

バルニジピン(ヒポカ)

ニトレンジピン(バイロテンシン)

ニソルジピン(バイミカード)

アゼルニジピン(カルブロック)

マニジピン(カルスロット)

エフォニジピン(ランデル)

シルニジピン(アテレック、シナロング)

アラニジピン(サプレスタ)

フェロジピン

ニモジピン

クレビジピン

ラシジピン

レルカニジピン

posted by ホーライ at 04:35| Comment(0) | TrackBack(0) | カルシウム拮抗剤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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