●アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)
アンジオテンシン変換酵素(ACE)は生理活性ペプチドであり昇圧作用を有するアンジオテンシンIIの産生に関与している。
さらに、ACEは降圧物質であるブラジキニンの分解に関与する酵素キニナーゼIIと同等であり、ACE阻害薬はこの酵素活性を阻害することにより、アンジオテンシンIIの産生抑制とブラジキニンの分解抑制をもたらし、結果として降圧作用を示す。
ACE阻害薬やARBは輸出細動脈を拡張させ糸球体内圧を低下させ蛋白尿の減少を行う作用がある(腎保護作用)。
このため慢性腎臓病、糖尿病性腎症でARBと同様に好まれる傾向がある。
またACE阻害薬は心臓のリモデリング防止作用、心筋梗塞の再発予防、心不全患者の予後改善効果があると考えられている。
またCa拮抗薬と同様の脳卒中予防効果もあるとされている。
空咳の副作用が有名であり、ARBに劣るイメージがあるが心保護作用のエビデンスはACEIの方が豊富である。
心房細動の抑制効果も知られている。特にイミダプリル(タナトリル)は糖尿病性腎症に適応がある。
●カプトプリル(Captopril カプトリルなど)
●リシノプリル(Lisinopril ロンゲスなど)
●エナラプリル(Enalapril レニベースなど)
●デラプリル(Delapril)
●ペリンドプリル(Perindopril コバシルなど)
●ベナゼプリル(Benazepril)
●トランドラプリル(Trandolapril)
●キナプリル(Quinapril)
●アラセプリル(Alacepril)
●イミダプリル(Imidapril タナトリルなど)
●テモカプリル(Temocapril)
●シラザプリル(Cilazapril)
ラベル:アンジオテンシン変換酵素阻害薬